いちおし
本発明は,火山ガラス質で角張った粒子を粉砕・造粒・焼成・分級(選別)の4工程により,数10μm前後の白色~赤褐色の火山ガラスマイクロボールを製造する方法を提供するものです。
概要
本発明は,火山噴出物であるシラスを数μm以下まで微粉砕した後に造粒して,気流中で焼成・溶融することで,粒子を球状化させます。そのため粒子形状が,より真球に近く,表面も凸凹のないきれいな形状となって,粒子の流動性が向上します。また,内部構造が中実体となり,強い機械的強度を有する火山ガラスマイクロボールを得ることができます。
技術分野
本発明は,ガラス質火山噴出物に由来する火山ガラスからなる微小粒子,火山ガラスマイクロボールの製造方法に関するものです。
課題
従来,ガラス質火山噴出物であるシラスを加熱処理して発泡させたシラスバルーンが製造されています。シラスバルーンは中空体でかさ比重が小さいという特性がありますが,薄い外壁と薄い隔壁状の内部構造のため機械的強度が弱いという欠点がありました。このため,僅かな外力が加わることで容易に破砕して鋭く尖った部分を有してしまい,化粧品等の原料として用いる場合に,使用者を傷つけてしまうといった事故の原因となる恐れがありました。
解決手段
火山ガラス噴出物であるシラスを加熱処理したシラスバルーンやその破砕物を原料として,数μm 程度まで粉砕した後,スプレードライヤー等により造粒し,シラスが溶融する温度(900~1000℃)以下の雰囲気で焼成することで,粒子同士が焼結して一体化した数10μm前後の微小粒子である火山マイクロボールを得ることができます。火山マイクロボールは,原料に含まれていた鋭く尖った部分が消失した,真球に近い球状の中実体となっており,これまでのシラスバルーンと比較して,粒子の分散性が高く,強い機械的強度を有するといった特徴があります。
キーワード
火山ガラス,微小粒子,真球,中実体,高強度
特許情報
【実施権】なし
【出願日】2013/10/8
【共有相手方】(株)井川産業