いちおし
本発明の低温発酵性酵母を用いると,酵母による醤油らしいアルコール発酵香を有し,かつ色の淡い醤油の製造が可能となります。また,味噌などの含塩発酵食品にも適応可能です。本発明の低温発酵性酵母を用いると,酵母による醤油らしいアルコール発酵香を有し,かつ色の淡い醤油の製造が可能となります。また,味噌などの含塩発酵食品にも適応可能です。
概要
淡口醤油の淡色化による商品価値の向上,低温発酵などによるコスト削減を図るため,低温でも旺盛に発酵し,短期間に発酵が完了し,醤油の褐変を抑え,淡色化を可能とする低温発酵性酵母の選抜に成功しました。本発明の低温発酵性酵母を用いると、酵母による醤油らしいアルコール発酵香を有し,かつ色の淡い醤油の製造が可能となります。また,醤油もろみの仕込み直後から酵母によるアルコール発酵が可能となるため,醤油の著しい短期醸造が可能となります。
技術分野
本発明は,醤油醸造において,低温かつ高pHの条件であっても増殖,アルコール発酵が旺盛なジゴサッカロミセスロキシーに属する酵母,及び当該酵母を使用する発酵飲食品の製造方法に関するものです。
課題
従来の技術では,淡色であっても酵母による発酵が不十分なため,醤油らしい香味,特に酵母による発酵香やアルコール香を有した醤油はありませんでした。また,従来の醤油酵母は,仕込み直後の低温かつ高pHのもろみ環境では増殖,発酵能がきわめて低いため,仕込み直後に酵母を添加しても発酵せず,醸造期間が長期化するといった製造上の課題がありました。さらに,樹脂や膜を用いて醤油を脱色する方法は,それらの処理が香味成分のバランスにも影響し,醤油が淡色であっても処理前と比べると官能的にも劣ってしまうという課題がありました。
解決手段
本発明の低温発酵性酵母は,温度10~20、pH5.5~7.0及び食塩分14~25(w/v)%の醤油醸造において,仕込みから20~50日経過後に,アルコール分が2.0~3.0(v/v)%であり,全窒素分が1.0~2.0(w/v)%であり,色度が40~60番である生揚げを生産できる性質を持ちます。本酵母を用いることで,醤油もろみ仕込み直後の低温かつ高pHの条件であっても,旺盛に増殖,発酵できるため,淡色かつ発酵香豊かな醤油の製造並びに醤油の短期醸造が可能になります。
キーワード
醤油,淡色化,酵母,低温発酵,短期醸造
特許情報
【実施権】なし
【出願日】2007/6/7
【共有相手方】鹿児島県醤油醸造協同組合