いちおし
本発明は,比重の異なる鉱物からなるシラス等の火山噴出物堆積鉱物から,結晶質,軽石質,火山ガラス質,粘土質を乾式で分離する技術と装置に関する特許です。
概要
シラスは,結晶質(砂),軽石質,火山ガラス質,粘土質が混じった堆積物で,そのままでは日本工業規格(JIS)に不適合で,工業原料として扱われません。本発明は,シラスを気流と振動を利用したエアテーブルと呼ばれる乾式比重分離装置により,精度良く分離して,コンクリート用原料(結晶質,軽石質),シラスバルーンやコンクリート用混和材(火山ガラス質),陶器原料(粘土質)などに利用できるようになりました。
技術分野
本発明は,火山噴出物堆積鉱物,例えば普通シラスを乾式分離する乾式分離方法,乾式分離装置,乾式分離方法により分離された細骨材及び火山ガラス材の製造方法に関するものです。
課題
シラスを工業原料として扱うためには,結晶質,軽石質,火山ガラス質,粘土質に分離する必要があります。例えば,JIS A 5308の「砂」として利用するにには,比重2.5g/cm3以上の結晶質に分離する必要がありますが,従来の比重選別法では効率的に分離することができないことが課題でした。
解決手段
シラスから粒径5mm超の礫分を除去し,残部を水平方向から所定の角度で傾斜させた多孔板を振動させつつ下方から多孔板に向けて送風するエアテーブル式の比重差選別装置に供給して,重比重分の結晶質と,軽比重分の軽石質と,集塵分(火山ガラス質と粘土質)と,多孔板落下分の結晶質とに選別して, 選別された重比重分から細骨材を回収することを特徴とする火山噴出物堆積鉱物の乾式分離方法です。また,細骨材は,選別された重比重分ばかりでなく多孔板落下分からも回収することができます。 火山ガラス質は,サイクロン分級器により分離回収されます。
キーワード
エアテーブル,比重選別,結晶質,火山ガラス質,軽石質,粘土質
特許情報
【実施権】なし
【出願日】2016/4/28
【共有相手方】(株)プリンシプル