いちおし
本発明のもろみ酢の製造方法は,甘味料にエリスリトールを使用しているため,合成甘味料に比べて自然な甘味です。またエリスリトールは人体での代謝が糖類とは異なるため,糖尿病などの患者にも負担のない甘味料です。
概要
本発明のもろみ酢の製造方法は,クエン酸により酸っぱい焼酎粕から,黒糖などのカロリーの高い糖質のかわりに,低カロリーの糖アルコールであるエリスリトールを添加することにより,甘味と酸味のバランスをとることができます。また,エリスリトールはもろみ酢特有の不快臭を低減させることから,果汁などを加えなくても美味しく栄養成分豊富なもろみ酢を製造できます。
技術分野
本発明は,もろみ酢飲料とその製造方法に関するものであり,より詳細には甘藷由来で低カロリーかつ低臭性のもろみ酢とその製造方法に関するものです。
課題
甘藷焼酎を蒸留した後に残るもろみ粕には,蒸留で除去されなかったアミノ酸,有機酸,ポリフェノール等の栄養成分が多量に含まれています。したがって,もろみ粕を圧搾して得られるもろみ酢飲料は,健康飲料食品として有望です。しかし,市販のもろみ酢飲料は,飲みやすくするために黒糖など糖質の甘味料を添加しており,もろみ酢の高カロリー化につながって低カロリーの健康飲料が指向されている現状に合いません。また,もろみ酢のもろみ臭を改善するために,パッションフルーツ,シークヮーサー等の果汁を添加する方法が取られますが,果汁の添加もカロリーの摂取につながります。そこで,本発明では,もろみ酢の栄養成分を活かしつつ,低カロリーかつ低もろみ臭性のもろみ酢飲料とその製造方法を提供することを目的にしています。
解決手段
米麹の「えぐみ」を軽減するために,単に米麹の使用割合を減らしては,米のデンプン量に対し酵素が不足し十分な甘みが得られません。また,粘性や米の粒状感が強くなりすぎ食感が悪化します。そこで,蒸し米の一部をサツマイモに適切な割合置換することで甘みと粘性を維持でき,高品質な甘酒を作ることができます。
もろみ臭と酸味を改善する上でエリスリトールが最も有効であることを見いだしました。甘藷焼酎粕から得られるもろみ酢に8~20重量%のエリスリトールを添加することで,低カロリーかつ低臭性のもろみ酢飲料となります。また使用する甘藷は,紫芋であるとより効果的であることを見いだし,上記課題を解決しました。
キーワード
焼酎粕,もろみ酢,クエン酸,糖アルコール,エリスリトール
特許情報
【実施権】なし
【出願日】2007/6/1
【共有相手方】トーシン(株)