いちおし
本発明は,安価で簡易な構成で,疲労破壊を抑制し,長時間の連続使用を可能とした鍛造工具を提供します。
概要
本発明の本質は,鍛造金型の一部の剛性を敢えて低くし,当該部に弾性変形を集中させる指向的変形の集中です。すなわち,鍛造金型の一部を削るなどして敢えて剛性を低くした(変形し易くした)部位を形成し,そこに弾性変形を集中させ,鍛造金型と嵌合して組み付けるホルダーの加圧軸直角方向への拡がりを抑制させて鍛造金型の寿命を向上させようすることを特徴としています。
技術分野
本発明は,鍛造品の一部に底付きの溝や穴などの凹部を形成する鍛造金型の設計方法及び鍛造金型に関するものです。
課題
自動車部品等を製造する多段の鍛造工程のある1工程において,前工程の加工品の一部に底付きの溝や穴などの凹部を形成する工程があります。このような工程において,プレス装置で穿孔用鍛造工具を強制変位させ,被加工材に底付きの溝や穴などの凹部を成形する時,前工程の加工品の形状を崩さないように保持するために凹部が形成される面を,穿孔用鍛造工具が挿入される閉空間を持つ環状のホルダーで押さえ付ける場合があります。この場合,穿孔用鍛造工具はホルダーの閉空間にすきま嵌めで嵌合されています。このような加工工程では,ホルダーを用いる場合,ホルダーの閉空間の一部にクラックが発生し,金型(ホルダー)寿命の低下が著しくなります。また,穿孔用鍛造工具が被加工材の凹部を形成する接触部分で疲労破壊することがあります。
解決手段
穿孔用鍛造工具を保持し,被加工材を押さえ付ける閉空間を持つ環状のホルダーを備える場合には,押圧時における穿孔用鍛造工具の加圧軸方向の微小な縮み(収縮)の弾性変形を積極的に促進し,同時に加圧軸と直交する2次元方向の微小な伸び(膨張)の弾性変形を抑制させる溝あるいは貫通穴を穿孔用鍛造工具に形成し,また,被加工材を押さえ付けるホルダーを備えない場合には,鍛造工具に押圧時における鍛造工具の加圧軸方向の微小な縮み(収縮)の弾性変形を積極的に促進し,同時に加圧軸と直交する2次元方向の微小な伸び(膨張)の弾性変形を抑制させ,かつ曲げモーメントを抑制する溝あるいは貫通穴を形成します。
キーワード
穿孔用鍛造工具,鍛造加工,疲労破壊,指向的変形の集中
特許情報
【実施権】なし
【出願日】2012/11/27
【共有相手方】県単独