特許登録「デュアル装着型ピンゲージアダプター」(特許第7054101号)
県と鹿児島精機(株)で令和4年1月12日に特許出願した「デュアル装着型ピンゲージアダプター」が,令和4年4月5日に特許登録されました。
機械部品の中には,軸部品と組合わせるために精密な穴が加工された部品があります。これらの穴が図面通りに加工されているかどうかを確認するために,生産現場ではピンゲージと呼ばれる測定工具を使用します。
この検査では,図面に指示された寸法許容値の中で,下限値と上限値の2種類の直径のピンゲージを用意します。下限値のピンゲージを「通り」,もう片方を「止まり」と呼び,検査者が手作業によって対象の穴に2つのピンゲージをそれぞれ物理的に差込み,判定します。しかし,判定基準が検査者の感覚に依るところが大きいため,作業者によって判定基準が異なったり,過剰な挿入力によって製品に傷を付けてしまうという問題がありました。
そこで本発明では,検査者の感覚に依存しない検査が可能で,かつ「通り」と「止まり」の2本のピンゲージを効率的に使用できるピンゲージアダプター機構を開発しました。
図のようにアダプターの両端には,「通り」および「止まり」の2種類のピンゲージを装着できます。
また,負荷検出部(圧縮ばね・ロードセル等)が内蔵されており,検査時の挿入力を検知します。
挿入力のしきい値を判定規準として設定しておくことで,どの検査者でも同一の判定基準で検査を行うことが可能となります。